叱り方と褒め方で変わる子どもの成長: 親ができる適切な接し方

叱ることの重要性と伝え方の違い

 前回、子どもを叱ることが委縮につながる可能性があると述べましたが、他人に危害を与える場合や生命の危険がある場合には、しっかりと叱ることが大切です。しかし、叱る際には、子どもが何を学ぶのかを考える必要があります。例えば、車の来る道路に飛び出してしまった子どもに対し、「なにしてるの!危ないでしょ!」と頭ごなしに怒鳴るのと、「車が来て事故にあったらとお母さんは心配なの。あなたがとても大切だから」と伝えるのとでは、同じ出来事でも子どもの受け止め方が異なります。

親の態度が子どもの成長に与える影響

親の態度次第で、子どもが親の顔色を見るようになるのか、自分で考えて行動できる子どもになるのかが決まります。親がどのように接するかが、子どもの成長に大きな影響を与えるのです。

褒め方の落とし穴と結果よりも過程を重視する育て方

また、褒めることについても、良し悪しの評価に結びつきやすいと述べました。例えば、算数が苦手なAちゃんが、前日に勉強した内容がテストに出て、80点を取りました。それを見たお母さんは「やればできるじゃないの。この次も良い点を取るように頑張ろうね」と言いました。しかし、平均点が90点と分かると、「80点しか取れなかったのね。もっと頑張らないと駄目でしょ」と評価が変わってしまいました。これにより、Aちゃんは「どうせ頑張ってもお母さんは結果しか見てくれないんだ」とやる気を失ってしまいました。

子どもの自発性を育むために必要な親の姿勢

結果が芳しくなくても、Aちゃんが頑張ったことを認めてあげることが重要です。Aちゃんが自分自身の努力を評価されることで、次の行動につなげることができるでしょう。子どもの自発性を育むためには、結果ではなく過程を重視し、努力そのものを認める親の姿勢が求められます。