子育て心理学6「ある看護師のつぶやき」

 

1.看護師も一人の母親

私たち看護師も、子どもを育てながら働いています。

夜勤がある日に、急に熱を出し保育園から迎え依頼の連絡が来ることもあります。家族の協力を得ながら病気の子どもを自宅におき、「ママー」と泣く子を後に髪をひかれながら、辛い思いで勤務に来ます。

 あるスタッフから、「看護師だから夜勤は仕方がないが、子どもが寂しい思いをしていないか、そんな思いまでさせて看護師をしていていいのか考えてしまう」と相談を受けました。

 子どもは、親の考えていることを敏感に感じ取ります。寂しい思いをさせているのではないかと考えて言葉に出していると、子どもは「私は寂しい思いをしているんだ」と受け止めます。

2.思考の転換

 少し考え方を変えてみてはどうかとアドバイスしました。「〇〇ちゃんがいるからママはお仕事に行って、頑張れる。ありがとう」と。同じ思いでも、子どもは自分が親の役に立っていると思えると、自分の存在価値を見るけることができます。それは、子どもだけでなく夫や家族にも同じですよね。私だって、上司から「長谷沼さんがいるから助かるわ」と言われると、大変な仕事でも少し頑張ろうと思ってしまいます。!(^^)!

3.子どもに感謝の気持ちを

 後日談です。相談を受けた看護師とその後夜勤をする機会がありました。子どもに「今日はママは夜勤だから、おうちのことよろしくね。ママ、頑張ってくるからね」と伝えると、子どもは嬉しそうに「うん」と答えてくれたと話してくれました。また、パパに感謝を伝えるときも、恥ずかしく直接言いにくいときもあるので、友達が家に遊びに来ているときに友達に話をしながら「パパがいるからとっても助かっているのよ」と間接的に聞こえるように伝えているんだと話していました。

 そんな彼女だからこそ、入院中の子ども達にも優しく接しているんだな、と夜間をしながら考えていました。