高梨沙羅選手の学び、『他者の期待に応えない勇気』
スポーツ選手でアドラー心理学の「嫌われる勇気」を読んで、勇気づけられている人は多い。
例えば、スキージャンプの高梨沙羅選手やボクシングで金メダルを取った村田諒太選手など多数の人がいる。
高梨沙羅選手は2014年、ソチ五輪で4位という成績ながら自分では「みんなの期待に応じたい」という気持ちで演技をしていたと当時を振り返っている。みんなの期待に応じたいという思いは、他者への期待に添わなければと自分自身を追い込んでしまう。実量が発揮しなければ、周りからどのようにみられてしまうのか、と。
「お前の顔を気にしているのは、お前だけ」
「あの人の期待を満たすために生きてはいけない」
アドラー心理学の『嫌われる勇気』の本と出会い、その言葉が自分に気づくきっかけになったと振り返っている。
村田諒太選手が語る『課題の分離』と強さの秘訣
ボクシングで金メダルを取った村田諒太選手は、初の世界タイトル戦はダウンを奪うながら、不可解なジャッヅによる判定負け。国内外で論議が巻き起こった。ただ、その中で当の村田は清々しく微笑んでいる。
なぜか。
「評価するのは他者ですから。アドラーが言うように他者をコントロールすることはできない。課題の分離ですよ」
(Number925号「嫌われる勇気」哲学者 岸見一郎氏との対談より)と述べている。
精神的に強くなるために必要な一歩前に出る勇気
課題の分離については次回にとして、では、なぜ人は精神的に強い人と弱い人がいるのだろうか。
私たちが学校や職場で、対人関係に悩み、精神的に弱くなるのは、自分は周りからどのように見られているのか、自分はダメだと思われているのではないかと他者の評価を気にしすぎているためではないだろうか。
自分を変えられるのは、自分だけ。他者が変えてくれるものではない。自分が変わることで、強くも弱くもなれるのである。
変わるためには、一歩前に出るための勇気が必要である。
一歩でることで、世界が、視野が、価値観が変わり自分らしく生きやすくなるかもしれない。他者を気にせずに。