ほめることについて考えてみましょう。
ほめることは、子どもの成長を促すために非常に有効な手段ですが、その褒め方によっては、逆効果になる場合もあります。ほめる際に注意すべき点は、結果だけに焦点を当ててほめることです。
子どもを見ているのではなく、結果が親にとってどうであって欲しいかでほめると、子どもは負担を感じプレッシャーとなりほめられていることが負担になっていきます。
ほめ方の落とし穴と結果よりも過程を重視する育て方
例えば、算数が苦手なAちゃんが、前日に一生懸命勉強した結果、テストで80点を取りました。お母さんは、「やればできるじゃないの。この次も良い点を取るように頑張ろうね」とほめました。しかし、後から平均点が90点だと分かると、お母さんは「80点しか取れなかったのね。もっと頑張らないと駄目でしょ」と言い直しました。これにより、Aちゃんは「どうせ私はどんなに頑張ってもお母さんは結果しか見てくれないんだ」と考え、やる気を失ってしまいます。
このように、結果にばかり注目してほめると、子どもは「結果が良くなければ認めてもらえない」と感じてしまい、プレッシャーを感じたり、自信を失ったりすることがあります。結果ではなく、努力や過程を評価することが重要です。
子どもの自発性を育むために必要な親の姿勢
では、どのように接すれば良いのでしょうか。結果が芳しくなくても、Aちゃんが一生懸命勉強したという過程を認めてあげることが大切です。例えば、「今回は80点だったけど、前日に頑張ったことはすごいね。その努力があったから、この点数を取れたんだね」と声をかけることで、Aちゃんは自分の努力が評価されていることを感じ、自信を持つことができます。
このように、努力を認められると、子どもは「次も頑張ろう」という気持ちになり、結果に一喜一憂せず、前向きに挑戦する姿勢を身につけることができます。最終的には、子ども自身が自分の力を信じて行動することができるようになるでしょう。
親としては、子どもが努力した過程をしっかりと見守り、評価する姿勢が求められます。結果にとらわれず、子どもの成長を温かく見守ることが、子どもの自発性を育むための重要なポイントです。これにより、子どもは自己肯定感を持ち、自らの意思で行動する力を育てることができるのです。
親の適切な態度
このように、叱り方やほめ方を通じて、親がどのように子どもに接するかが、子どもの成長にどれほど大きな影響を与えるかが分かります。子どもが健全に成長し、自立心を持って行動できるようになるためには、親が適切な態度で接することが不可欠です。