子育て心理学4「自尊感情の育成と子育て」

自尊感情とは

 自尊感情(または自己肯定感とも訳される)は、自分自身を大切に思え、自分を好きだと感じることができることを言います。他人より勉強ができるとかスポーツができるとかの優劣ではなく、誰にでも長所があり短所があります。それらをすべて含めて、自分がかけがえのない存在だと感じられることをいいます。

 最近、少年犯罪により物騒な事件が多いですが、自尊感情(自己肯定感)の低下で自他の命の大切さが理解できず事件に繋がっているように思われます。

 自尊感情は、幼少期に育まれ身近な周囲と人間関係で養われます。

 男の子でも女の子でもどちらでもいいから元気な子が産まれればと思い、出産し初めて我が子と対面し、かけがえのない存在と思えたはずです。子どもを育てる上で、その気持ちが子どもに日々伝わることが一番大切なことだと思います。

 初めはかわいいと思えた子どもでも、けして自分の思う通りには行きません。言うことは聞かない、大泣きはする、などなどです。言うことを聞かないので、ついつい親も感情的になってテンションもヒートアップしてきます。怒鳴る、叩く、無視するなどで接しがちです。子どもも初めはいう事を聞きますが、毎度同じでは免疫ができてきます。それ以上に対抗してきます。叱れば物を投げる、店のなかで寝転がり大泣きをするなどお互いに悪循環のワープに入っていきます。そのような中では親も子どもも、けして自己肯定感は育つことはありません。