子育て心理学21 叱る・褒める(叱るについて)

叱り方と褒め方で変わる子どもの成長 

①叱る 親ができる適切な接し方

子どもの成長において、親がどのように接するかは非常に重要です。

子どもを叱ることについて、具体的な例を通して、叱り方が子どもの成長にどのような影響を与えるかを考えてみましょう。

叱ることの重要性と伝え方の違い

まず、叱ることの重要性についてです。叱るという行為そのものが、子どもを委縮させる原因になることは否定できません。しかし、他人に危害を与える行為や、生命の危険がある場合には、叱ることも必要です。一番大切なことは、叱ることで分からせようとすることではありません。なぜそれがダメなのか、どうしていけないことなのかを理解させることが重要です。

例えば、子どもが車の来る道路に飛び出してしまった場合を考えてみましょう。このような状況では、命の危険が伴うため、親が適切に叱ることが求められます。

しかし、叱り方が問題です。例えば、「なにしてるの!危ないでしょ!」と感情で頭ごなしに怒鳴るのと、車の危険性よりお母さんに怒られたことが強く印象に残ってしまいます。

「車が来て事故にあったら、お母さんはとても心配なの。あなたが大切だから、危ないことはしてほしくない」と穏やかに伝えるのとでは、同じ状況でも子どもの受け止め方が大きく異なります。前者のような怒鳴り方で叱っては、子どもは恐怖心を抱き、親の意図を理解することなくただ委縮してしまうかもしれません。一方で、後者のような伝え方は、子どもは親の心配を理解し、自分の行動が危険だったのかを自ら考えるきっかけを得ることができます。

つまり叱って教えるではなく、子どもが分かるように説明して理解させることが大切になります。

親の態度が子どもの成長に与える影響

親がどのように子どもに接するかが、その子どもの成長に大きな影響を与えることは明白です。たとえば、親が常に子どもを怒鳴りつけ、厳しく叱りつけるような態度をとり続けると、子どもは次第に親の顔色をうかがうようになります。そして、親の意向に従うことで自分の身を守ろうとするようになり、自己主張を抑え、消極的な性格になる可能性があります。このような状況では、子どもは自ら考え行動する力を養う機会を失ってしまうかもしれません。

逆に、親が子どもの行動を理解し、共感を持って接する姿勢を示すと、子どもは安心感を持ち、親の言葉を素直に受け入れることができるようになります。そうすることで、子どもは自分の行動について考え、次回はどうすれば良いのかを自ら判断できるようになるでしょう。

それを繰り返すことで、最終的には自分で考え、行動する力を育てることができるのです。

親の適切な態度

このように、叱り方や褒め方を通じて、親がどのように子どもに接するかが、子どもの成長にどれほど大きな影響を与えるかが分かります。子どもが健全に成長し、自立心を持って行動できるようになるためには、親が適切な態度で接することが不可欠です。